「決定的瞬間対策」
作業中に逸脱する瞬間がある。これを決定的瞬間と呼ぶ。
<手法>
・今やっていることから逸脱しそうになったらどうするか書き出す。
・対処例をプリントアウトしておいて、その中から決定的瞬間の行動を決めてもいい。

<具体例>
・作業中にネットで余計なものを検索したくなる。
・途中で嫌になって別のことをしてしまう。
 →作業前に逸脱しそうになったらどうするか書いておく。

<対処例>
・◎両手を握りしめ目を閉じ50まで声を出し数える。衝動がなくなるまで続ける。 (道具不要で衝動をやり過ごしやすい)
・◯あとでやるリストに書いて作業に戻る。(あとでやるリストは常に手元に置いておく)
・◯やる価値があるか-10から+10で評価して納得できたら作業に戻る。
・◯場所と結び付きがあるならばその場を離れる。
・◯あと10分間だけやると決めてやる(もし10分持ちこたえて平気なら続ける)
・◯やるデメリット、やらないメリットを列挙し、できれば書き出す。(やや面倒)
・◯階段の昇り降り、少し歩く。(5分以内に作業に戻る)
・△水やお茶を飲む。(5分以内に作業に戻る)
・△ガムを噛む。
・△トイレに行く。
・△手や顔を洗う。


<実験例 ヘロイン中毒者の履歴書作成>
ヘロイン中毒で離脱症状が出ている人たちを2グループに分け履歴書を書かせた。
片方のグループはすぐに履歴書に取り掛かり、もう片方のグループには具合が悪くなった時にどうするか
(「逸脱:具合が悪くなったら/対策1:トイレに行く/対策2:落ち着いたらもう一度取り掛かる」など)
を自分たちに決めさせてから履歴書に取り掛かった。結論は前者の達成者は0%、後者は80%だった。
(『自分を見違えるほど変える技術』)

<実験例 人工股関節のリハビリ>
人工関節を入れた人には自宅に帰った後もつらいリハビリは欠かせない。
そこで各自「リハビリが辛いときどう対処するか」を予め手帳に書いてもらった。
これを行った人はリハビリの継続率が極めて高く予後も良好だった。
(『スイッチ!』)

<コメント>
・決定的瞬間を特定し、その時にどう対処するかを予め決めることで逸脱を避けやすくなる。
・意思の事前充填。

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