テクニカル分析

テクニカル分析とはなにか

ファンダメンタルズ情報を扱わず、取引に関する価格や出来高だけを使った分析

テクニカル分析の分類

・テクニカル分析は多様だが、ここでは主に2つに分ける
・「単純なテクニカル」トレンドライン、オシレーター、移動平均など一般人向けのテクニカル本にある単純な手法
・「複雑なテクニカル」計量経済学的な時系列分析、経済物理学的な時系列分析など複雑な手法

ユール・スルツキー効果(日本語ではこの表記だが英語では、Slutzky–Yule effect )

・ランダム時系列でも移動平均を書き込むと周期性があるように見える場合がある
・周期性があるように見える
 →(✕)これは周期性がある!
 →(○)そう見えてもランダムの可能性あり
Slutzky–Yule effect

ランダムな価格変動と法則性のある価格変動は目視で見分けられるか?

・ほぼ無理、ランダムチャートを生成するソフトで試したが本物にしか見えない
・ランダムチャートを見るとチャートパターンがあるように見えるし、RSIなどのオシレーターも機能しているように見える

実際の価格変動は?

・おそらくランダムな動きと、法則性のある動きが混在している
・Aランダムに見えるが、法則性がある動き
・Bランダムに見え、本当にランダムな動き
・C法則性があるように見えるが、本当にランダムな動き
・D法則性があるように見え、本当に法則性がある動き
・もしAから法則性を見つけられたら大きな利益を得られる可能性がある(単純なテクニカルでなく、おそらく複雑なテクニカルに可能性)
・もしCの法則性を信じると損失に繋がる
・もしCをランダムだと見分けられれば、損失を回避できる

テクニカルの課題

・法則性があるように見えるランダム性の動きを見分けて排除できるか?
・法則性があるとしても、それが崩れた時に対処できるか?
(時代によって機能するテクニカル分析は存在する。グランビルは移動平均で当てて有名になったがその後外しまくり)
(70年代はインフレで商品市場は強気→トレンドフォローが機能していたがその後は機能しにくく)
・取引データー以外の個別ファンダ、マクロ、ニュース等の値動きには基本的に対応できない
価格変動の要因図。テクニカルは内生的変動だけしか扱わないのが問題

役に立つテクニカルはあるか?

モメンタムで順張り
・年初来新高値で逆指値を入れて買う
・年初来新安値に逆指値を入れてカラ売り
チャートの形で順張り
・割安株が底練りを終えて自分が設定した価格を超えたら買う
・仕手株的な銘柄の階段チャート、中華鍋チャート
出来高で逆張り
・出来高を見てセリングクライマックスで買いを検討する
・出来高を見てバイングクライマックスでカラ売りを検討する
その他
・出来高分析系テクニカル
・統計的裁定取引(Statistical arbitrage)

おそらく駄目なテクニカル

・移動平均
 ・移動平均の計算期間によって複数の移動平均が計算でき、どれが正しい期間設定かかわからない
 ・市場のリズムが存在するとしても、その周期性は一定とは限らない
・オシレーター系(RSIなど)
 ・移動平均と同じで正しい期間計算によって複数計算できるが、どれが正しい期間設定かわからない
 ・市場リズムが存在するとしても、その周期性は一定とは限らない
 ・非常に強い相場ではオシレーターは上限に張り付いて機能しない
 ・非常に弱い相場ではオシレータは下限に張り付いて機能しない
・斜めのトレンドライン 
 ・どこを起点にするかで様々な斜めのトレンドラインが引けるので主観的で信用できない
  (ここ最近の転換点から横に引くラインは機能するかもしれない)
・金融占星術
 ・オカルト
・フィボナッチ分析
 ・オカルト
・ギャン理論
 ・オカルト
・エリオット波動
 ・オカルト、波動のカウント方法で何とでも言えるので駄目
・多くのチャートパターン
 ・三尊天井など、目の錯覚に近い。ただし有効なものもあると思う

テクニカル批判の代表的な本

・テクニカル分析の迷信――行動ファイナンスと統計学を活用した科学的アプローチ

複雑なテクニカルの本

・入門 経済物理学―暴落はなぜ起こるのか?
・市場は物理法則で動く―経済学は物理学によってどう生まれ変わるのか?
・金融データの統計分析
・禁断の市場

メンバーのみ編集できます