田中秀臣ブログより
1976年の論文 http://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id...


・通常の需要供給理論では、財に対する嗜好の特質には無関心。
 だが報道の経済では、その消費(生産)対象となる財(ニュース)への嗜好の性格がに重要

ニュースの定義
政治、経済、芸能などの中味を問わない多様なメディアが提供する広告以外のサービス総体を指す。

ニュースの消費の目的
「実用的情報獲得」より「娯楽的消費」である

求められるニュース
「疑問」「問題」「複雑な解答」より「単純明快な解答」
感情的なもの、ロマンティシズム、宗教的信条などが中核をしめる。

平均的ニュース消費者の特質
・科学的な方法を学ぶことにメリットを感じない(学ぶ便益>学ぶコスト)。
・単純明快な二元論、二項対立が好き、極論と極論を組み合わせて考えるのが好き(議論が派手で面白くなる)
・特に政府は「悪魔」になりやすく、政府のやることはすべて失敗が運命づけられているような報道を好む
・対立する意見や見解を明らかにするよりも、「人間」そのものやゴシップを好む

反市場的バイアス
・市場的価値への嫌悪 規制緩和や自由貿易への否定的感情がどの国も強い。
・家族の構造にが反市場バイアスの揺籃の地?
 家族間の無償交換(家事の分担など)が、金銭的報酬をもとめないことが、市場(金銭的報酬をもとめる交換行為が中心)への反感につながる?

危機バイアス
・「危機」は、娯楽として消費者にうけがよく、報道の側も「危機」を提供
・政治家や官僚たちも「危機」を生み出す強いインセンティヴがある。
 「危機」を煽りながら自らの貢献を強調して、それで政治的な利得を得る可能性がある。
  顕在化していない「危機」を政治家たちや官僚までも生産するインセンティブが今日でも見られる

この理論を補完する理論
・ロナルド・コースの「アイディア市場」の考え

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