『ジャンボ機長の情報判断術』(坂井優基)

・孫子も柳生宗矩も負けないことを最優先している。
・負けないためにも、勝つためにも状況判断料が大切
・個人の注意や力量に頼らない柔らかなシステムで空の安全は守られる
・1.正しい状況判断 2.正しい決断 3.正しい行動

状況判断
・「何か絶対におかしなものがあるはず」と思ってみないと見落とす。
・昨日と今日は違う、何か大きな変化の世注があるはずだと思って情報をとる
・見えない部分は「自分に最も都合が悪い悪いこと、最悪」と想定して最悪でも対応できるように行動する
・予測も最悪の事態を想定して、対策して行動する
・上がってくる情報だけでなく、現場に電話したり、アポ無しで行く
・YES/NOで答えられない、オープンクエつションをする
・抽象度を下げて考える「売上が減っている」でなく「どこで」「どれが」「どれくらい」減っているのか
・抽象度が上がるほど細部が欠落する
・情報は伝言ゲームで大きく変質するからこそ現場から直接情報を取る必要がある
・情報を取るには良い質問
・チームでは状況判断の共有必要
・悪いことほどすぐに報告
・標準操作が決められていて逸脱した場合はすぐ指摘する
・懸念を伝える時は的確に聞く
 (イースタン航空機事故では、管制塔が高度低下に気づいて連絡したが抽象的に質問したため、機長は高度低下でなく前脚を聞かれたと思い「問題ない」と答えて墜落
  管制官が「高度が低下している」点を質問すれば助かった可能性がある)

決断
・まず制約条件から考え、制約条件をクリアしているかチェック(飛行機は天候や燃料が制約条件)
・異常時は空振りしてもいいから対策を発動する
・危険な仕事、悪い仕事はしない(守りに入るべき)
・判断基準点(損切りライン)をあらかじめ設定する
・判断の時期を決めておく(1ヶ月後、3ヶ月後、半年後、一年後)
・判断基準点は機械的に守る
・代替案は最低3つ
・その後の手段が多い決断をする
・自分の考えのあら捜しをする
・たまたまうまく行っても反省する
・パイロットは会社のマニュアルとは別に自分用ノートを作っている
・自分と関係ない事故情報も整理保存している
・飛行機と関係ない事故に関する本もできるだけ読む、自分ならどうするか考えながら読む
・平時は悲観論者、有事は楽観論者

行動
・平時のチェックリスト、有事のチェックリスト
・日常の定型作業はすべてチェックリストが使える
・事前にしっかりしたフライトプランを作る
・割り込みタスクが入ってそれに取り掛かると、本来のタスクを忘れやすい 
 →元タスクをメモするか、アラームを使う
・特定の場合のみ行う作業は間違いやすい 
 →原則と特定の両方で通用する一定のオペレーションを決めて行う
・役割分担せず、二人で二人分の仕事をするのが危機管理上重要(担当を細分化しすぎて、担当者しかわからないという状況は危険)
・100年に一度の逸材と言われたいたパイロットは、
 飛行の手順や管制官に何を言うかまで細かく小さな字でびっしりと製図用の大きな紙に書いており。さらに日々修正していた。
・システムでミスを減らす。個人の問題にすればコストもかからないし、上司も頭を使わずに部下に「気をつけろ」というだけで済む

<コメント>
・新書220ページ 1時間10分

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