ニトリ会長が明かす、30期連続増収増益「一人勝ち」の極意

・四六時中「お客が感じる不平、不満、不便はなにか?」「解決にはどんな商品を作るか?」考えている。

・不満を見つけた時こそチャンスで嬉しくなっちゃって「うちが安い価格で売り出せれば、すごく売れるな」と思う。

・「珪藻土マットはいくらだったら買えるか」とうちの奥さんや周りに聞いたら、「5000円なら」と言う。
  もっと気軽に買える値段はいくらかと聞くと、「3000円台かなぁ」と言う。
  じゃあ、そのくらいの価格にしようということで、「3000円台」に決めました。
  価格を決めたら、原料や製造方法をどうすれば3000円台で作れるかを徹底的に調べあげて実現していくだけ。

・できそうもないものだからこそやる。できそうもないものは誰もやらないけれど、そのリスクがあるからこそチャンスがある。
 できそうなものはみんながやるから、むしろやらない。みんながやろうとしないリスクからこそ、利潤が生まれる。

・「ソファをウレタン素材から作れ」と言っても、担当者は「やったこともない。できません」と言う。普通はここであきらめてしまうでしょうが、
 私はしつこく、「では、できるやつをスカウトして来い」と言って、できそうな人間を給料を倍にして引っ張りました。
 そうこうするうちに、家具工場だったところに、よくわからない化学原料や薬品などが並ぶようになり、いつのまにか煙をもくもく出しながら、ウレタンを作れるようになってくる。
 さらに、内製化を進めるほどに技術力が高まり、そのうち仕入れ価格より半額以下で、品質もずっといいものを作れるようになった――というわけです。

・「最大の敵は社内の幹部だ」と言うんですが、改革をやろうとするといつも止められる。
 逆に言えば、幹部が反対したときほどチャンス。だって常識の裏を行くわけだから、ピンチになるかもしれないけれど、そこには誰も手を付けないチャンスが眠っている可能性が高い。

・会社を大きくするというのは、そうした攻防の連続なんです。いかに社内の敵、つまりは意見の違う人を乗り越えていけるか。
 派閥を作って私を追い出そうとしてくる人間が出てきた時もありましたからそれはもうバトルロイヤルです。
 サラリーマン会社の社長はバトルを嫌うので、経営の決断も穏便なものになってしまうのかもしれませんね。

・うちではよく幹部や社員たちに、「売れているものを売れないようにしろ」とも言っています。売れるヒット商品が出たからといって安心していると、3年も経つと他社にマネされて売れなくなる。

・どんなヒット商品でも、うちでは翌年もそのまま同じものを売ることはせずに、必ず「価格はそのままで品質をよくする」など、プラスアルファをつけた商品に改革させます。それができない人間は評価しない。

・商品のラインナップにしても、SKU(商品の最小管理単位)ベースで昨年は約6割を変えています。そうしてヒット商品でもどんどん変えていくから、来るといつも新しくてお得な商品があるという楽しい売り場ができる。

・社員たちに改革意識を植え付けるのは簡単ではなくて、不平不満を言われたり、反対されたりしながら何十年も「変えろ、変えろ!」と言い続けたら、やっとできる人間が少しずつ出てきた感じです。

・前任者と同じことをやったり、過去の成功体験を繰り返す人間はまったく評価しない一方、新しいことに挑み続ける人間だけが出世できる組織にしているので、うちでは同期でも給料が2〜3倍違います。

・社内での競争に勝てないような人間では、他社との競争にも勝てませんから、トーナメント形式の勝ち抜きみたいにどんどん競争させています。

・予測を的中させるコツは、「自分をゼロにすること」ですよ。アナリストや経済のプロを名乗る人たちって、自分がこうなって欲しいと思う数値を出したり、過去の経験から考えてしまうから外れるんです。
 そうではなくて、素直に社会に目を向け、いまなにが起きているかを把握すれば、自然と見えてくる。これは経営も同じで、「自分の都合で判断しない」のが大事。
 うちの社員にも「自分をゼロにしろ!」と言っているんですが、これはなか なかできる人間が出てきませんね。

・「いままでに無いもの」や「不可能」と言われる分野に入って行き、その分野の人ができないようなものを作り上げる。私がしたいのは、そんな革命であり、アドベンチャー。
 そういう意味で、アパレルもチャンスがあればやってみたい。

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