「83 ニュース断食をする」

私がはじめて「ニュース断食」という言葉を知ったのは、アンドルー・ワイル博士の代替療法と自然療法に関する著書を読んでいたときである。博士がニュース断食を勧める理由は、それには人間の心身を癒やす作用があるという信念に基づいている。ニュース断食は純粋な健康問題なのだ。

私がニュース断食を勧めるのは、それが動機づけと関係しているからである。もしニュースと一切縁を切ってしばらく過ごすと、人生に対してすごく楽観的になり、エネルギーの高まりを感じるようになるだろう。

 そういうと「でも、絶えず情報を仕入れて、地域で起こっていることを知っておくべきではありませんか?ニュース番組は見ないのですか?」という反論が返ってくる。ここで驚くべき事実を述べよう。ニュースはもはやニュースではないのだ。

 今やニュースは本来のニュースではなくなっている。各局のニュース番組が互いに視聴率争いに明け暮れた結果、ニュースは本来のニュースとは全く違ったものに成り果ててしまっているのだ。

「でも、絶えず情報を仕入れておかないと不安だ」と言う人もいるだろう。十分に情報を仕入れておく方法はいくらでもある。情報を仕入れるときは情緒よりも冷静で思慮深い分析をしている週刊誌や月刊誌はいい情報源になる。

 重大なニュースを見逃したと心配する必要はない。戦争や自然災害、暗殺などの本当に重要なニュースは、ニュース断食をしているときでも確実に伝わってくるのである。

 今週からニュース断食の実験をしてみよう。短期間から始めて、徐々に期間を伸ばしていくといい。断食が明けてからニュース番組を見る時、その番組がどのような影響を自分に及ぼすかに注意しよう。現実をありのまま見ているかのように受身の姿勢で見るのは良くない。旅客機墜落事故が発生したことは伝えても、同じ日に無事に着陸した数千、数万の旅客機については一言も触れない。

 あなたの心をどのような情報で満たすかはあなた次第である。情報管理に対して自己責任を持てば持つほど、楽観的で効果的な心の姿勢を身につけることができる。

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