「たくさん失敗した人ほどうまくいく」(リチャード・ファーソン、ラルフ・キーズ)

「第8章 恐怖心をコントロールする」


<恐怖感はどこから来るか>
・人は馬鹿だと思われるのを何よりも恐れる
・一番人を萎縮させるのが「屈辱を受けるかも」という恐怖心
・バカだと思われるのを極端に恐れるのは自惚れの裏返し。他人は思っているほど自分のことを気にしていない。誰も自分自身のことで頭がいっぱいだ

<他人の目を気にしない>
・バカだと思われるのを怖がっていては描きたいと思う絵は描けない、詩を詠むことも、友達を作ることも、愛する人に気持ちを伝えることも、やりたい仕事をする事も事業を起こすこともできない。
 それを胸に刻み込み「笑われるかもしれない」という恐怖心に立ち向かって乗り越えるものの前に道は開ける。失敗して屈辱にまみれることを恐れぬ勇気と覚悟がなければ大きな成功は掴めない。
・バカだと思われるのを恐れずに果敢に挑戦する者だけが画期的な発明をしたりスピーチをしたり会社を設立したり信念を貫いたりできる。
・ 恐怖心を克服は不可能だろう
・恐怖心が私たちの心にあまりに深く刻み込まれている。恐怖心を克服できなくても、恐怖心はあって当たり前で、コントロール可能とわかれば向き合う様になれる

<成功者と不安>
・大きな冒険をする人は並々ならぬ自信があるに違いないと誰もが考える。それは間違いだ。大胆で非凡な才能を持つ人々も私たちと同じように臆病である。恐怖心に押しつぶされないだけなのだ。
・カリスマ的な人物は皆本当は臆病者である。臆病さがなければ人間性もカリスマ性も薄れる
・大きな成功を収めている人の共通点は恐怖心。
 失敗するかもしれない非難されるかも知れないチームの期待に背かもしれないという不安感を誰もが持っているだから懸命に努力する子最後まで新今日行けるならせてあらゆる場合を想定して準備を整える
・屈辱を味わうかもしれないという恐怖心が人を萎縮させるとは限らない。
屈辱を浴びるかもしれないという強い不安を感じるのは占い棒が地下水脈や行動に反応しているようなものだ。その屈辱に耐えられれば「困難を乗り越えて初めて到達できる究極の目標」に一歩近づく。
・「新しいアイデアがどれだけ嘲笑されるかでそのアイデアの斬新さがわかる。 嘲笑されないアイデアは陳腐だと言える」(マーク・アンドリーセン)
・馬鹿にされるかもしれないという恐怖心を乗り越え偉業を成し遂げた人たちは自分の愚かさを楽しめるようになる。そんな心境に辿り着くまでの過程で人は強くなる。
 ばつの悪い思いをする経験を乗り越えると、不思議なことに自由になった様に感じる場合がある。

<不安を受け入れ前進した人たち>
・「自分に全く自信がなくいつも怯えてる」(高級アウトドアブランドアベルクロンビー&フィッチの CEO マイケル・ジェフリーズ)
・フットボールの伝説的名コーチ、 ベアー・ブライアント は大一番の試合の前によく吐いていた。
・ローレンス・オリヴィエも舞台に立つ前に吐く時があった
・チャーチルも極度のあがり症に苦しみ続け演説をする前に異常なまでのリハーサルを繰り返していた
・レーガンも演説に対する恐怖心を最後まで克服できなかった

<恐怖感の重要性>
・「恐怖を感じたことがない人からはできるだけ離れるようにしている。そんな人間はとても危険だ。一緒にいるとどんな問題に巻き込まれるかわからない。
  私はいつも恐怖を感じている」(北極探検家ピーター・フロイケン)
・TGIフライデーのダニエル・コスギン社長は成功したレストランが潰れるのは初めは失敗を恐れていた経営者が成功を確信するようになったからだと考えた。つまり恐怖心がなさすぎる会社は破滅する。
・恐怖心は克服も無視もすべきものでもない。恐怖心は適応装置で危険を知らせる警報である。人は不安を感じると巨大な要塞を築こうとする。
 不安だから他人と結束し部族や国を形成する。不安感がなかったら人間はとうに絶滅していた。
・恐怖心は最高の友(ダマ・カスト)。恐怖心が足りないボクサーは注意力が散漫になる。全神経を一点に集中する能力は恐怖心で高まる。恐怖心をうまく使い期待感、警戒感、集中力を高めていく


<恐怖と勇気>
・恐怖心を克服してから行動を起こせば良いと考えがちだ。恐怖心を克服できるものではないし克服すべきものでもない。
不安が消えるのを待ったり避けて通るを落としても不安と対峙する時が先送りされるだけだ。今度は行動を起こす勇気があるかどうかが問題になる。
恐怖を感じないことが勇気ではない。勇気とは恐怖を感じても信念を突き通す力のことだ。
「勇気とは恐ろしくて死にそうな時でさえ正しい行動を取れる能力である」
(オマール・ブラッドリー将軍)

<その他>
不安の中で行動を起こせるかどうかは恐怖心があるかどうかや恐怖心が強いかによって決まるわけではない。恐怖心とどう向き合うかが重要になる。危険に直面すると誰もが怯む。大事なのは次にどうするかである。
失敗が怖くて立ちすくんでいると燃え盛る恐怖心の炎は危険なものにしか見えない。燃え盛る炎にエネルギーを感じれば恐怖心は力になる。

冒険者は不安に怯えながらも行動を起こす気力があるだけでなく恐怖心をエネルギーに変える方法を知っている。恐怖心から逃げるのでなく恐怖心に向かっていく。
恐怖心は面白そうなリスクが待っている方向を指し示す羅針盤である。大胆な革新者は不安感はいつもそばにいる友として受け入れるようになる。

有力広告代理店を作り上げたマッケーブにとって不安と恐怖心は彼を動かすエンジンの燃料だった
「成功は私から恐怖心を奪った。ある日恐怖心がなくなっていることに気づいた。人はその安心感を求めて生涯働き続ける。だが私はそうではない。
私にとって恐怖心を失うのは古くからの友人が亡くなったと突然知らされるようなものだ」

スカイダイバーは飛び出す時の恐怖が強いほど着地の満足度が大きい

ビジネスやスポーツで大きな成功を収めた人の中には恐怖心をプラスに働かせるのがうまいものがいる。恐怖心を力に変え、もっと努力し、万全の準備を整え、戦い真っ最中にはチャンスを絶対逃さないと自分を駆り立てていく。

演説者は皆、強い不安感を抱えているがそれが突然に高い集中状態に達してゾーン状態に入ることがある。
経験豊富な演説者はスピーチの前に不安感が十分高まらないと心配になる不安感がないと力がみなぎってこない不安を覚えないと緊張しないためだ

観衆と向き合う恐怖感はエネルギーになる。
恐怖は力と集中力に変わる。
パバロッティは舞台に立っている時の緊張感が好きだという成功の秘訣はいつも恐怖感を持つことだとパバロッティは結論付けた。

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