土屋
実は、ぼくら地上波のテレビをやっている人たちは、視聴者を、信じていないんですよ。
見ている人のことを、かなり ものがわからない人だと想定して、その人たちにどう見せるかと工夫しているんです。
ものすごく悪い言い方をすると、もう、「馬鹿にどう見せるか」と、みんな絶対にクチには出さないけれども、どこかのところでは
みんながそう思っているようなフシがありますね。

糸井
あれだけの大きさのツールを持てば、

糸井
誰でもそうなりますよね。

土屋
確かに、何百万人、何千万人と見てくださる中には、もちろん、そういう人たちも、いますよ。その人たちも入れないと数にならないから、
「その人たちまで含めて全員をダマすためには……」と、自分たちの持っている視聴者像を、どんどん、ものすごく友達にしたくないところに
持っていってしまっている、というか。

糸井
そうなっちゃいますよね。

土屋
そういう風になる仕組みだとは思うのですが、そこが、とても怖いんです。だから、視聴者に直に触れることが、怖い。

糸井
直に触れることはぼくも怖いんですけど、 怖いけど、球を打ち続けるんですよ。そうしていたら、わかったことがあったんです。
わけのわからないことを言う人がいたとしても。 「何にもわからない人がいる」のではなくて、「ある人間のそういう部分が出ていて、
それと、たまたま接している」ということが、わかったんですよ。

土屋
あぁ、ほんとは、そうなんでしょうねぇ。

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