モラルライセンシング
moral licensing

定義 

・目標に向かって前進すると、遠ざかるような行動をとる
・努力すると怠けてもいいとおもって、怠けてしまう
・規律に従って努力したあとは、衝動に抵抗せず自由に振る舞いたいと感じる

具体的内容

・良いことをすると、気持ちが良くなり、脳がコントロールを緩め衝動的行動を許しがち
・良いことをすると悪いことをしてもいいと思って、悪いことをしてしまう
 (頑張ったから、ちょっとぐらいいいじゃない!)
・良いことをすると、良い行動を減らしたり、手抜きをしたりする
(前に頑張ったから、すごしぐらいサボってもいいよね)
・良いことをしようと考えると、それだけで良いことをした気になって、悪いことをしやすくなる
・良いことをしようと考えると、それだけで良いことをした気になって、良いことをしにくくなる

・ジョギングをしているからアイス(お菓子、ビール)食べてもいいだろう
・昨日ジョギング頑張ったから、今日はジョギングしなくてもいいや
・昼間は間食を我慢した人が、夜中に間食をしてしまう
・会社で仕事を頑張ったから家ではのんびりゲームでもしよう
・午前中頑張っているから、午後はのんびりしよう
・子育て(仕事)を頑張っているから不倫をしてもいい
・頑張ってるアピールする人ほど、大した成果を挙げられない
・目標達成イメージするほど、やる気が無くなる(WOOPと同じ)
・以前に気前よく寄付した記憶があると、そうでない人より寄付した金額が6割も低い
・1時間頑張ったから、過ごしぐらい休憩してもいいだろう
・最初の機会に公平な人間であることを示した人は、次の機会には差別的な意見を表明しがち
・二つの選択肢が一長一短であることを認めた人は、その後は極端にえこひいきをしがち
・最初に公平なところを見せると公平にふるまう必要を感じにくくなる
・一方には自分の長所を書き出し、他方には短所を書き出してもらった。
 その後に慈善団体への寄付を募ると、前者の寄付額は後者の五分の一。
・過去の善行は、倫理にもとる行為や不道徳な行為などをしてもよいという気持ちにさせる。
 (一貫性の原理に反する、自己イメージと行動の不一致?)
・善行をしていなければ、世間に非難され人格を疑われることを恐れ、そのような行為は慎む
・経験を積み自分を良いリーダーだと思うようになると、
 その後のリーダーとしての自分の振る舞いに注意しなくなり、言行不一致になりやすい。
・カリスマ経営者と評判が高く、リーダーシップ講演や著書が多い人ほど言行不一致になりやすい。
 自信があるので、評判を気にして慎重に振る舞う必要を感じなくなっている。
・寄付しようと考えるだけで寄付してなくても、それだけで自分のためにご褒美になにか買いたくなる
・エコ商品を購入した人は普通の商品を購入した人に比べ、嘘をついたり盗みを働くケースが著しく高まった

原因

・自由でありたい、やりたいことをやりたい、好きな事をしたいという気持ちがある
・道徳的に正しいことをすべきというプレッシャーがある
・「自由、好きなこと」VS「正しいこと」
 →我慢して正しいことをすると、ご褒美に「自由、好きなこと」を求める
・「やること」と「正しいこと」を切り離す
・正しいこと、規律に従おうとすると、自由を求める自分が抵抗する
・自由を優先するという名目の上で理性的に自己正当化しているので、よりたちが悪い。

そうではなく「なぜ頑張ったのか(頑張っているのか)」という自らの「努力する姿勢」や「目標」に目を向けてみましょう。
「どれだけ頑張ったか。どれだけ進歩したか」と考えてしまうと、「じゃあ、その代わり…」と言わんばかりにモラルライセンシングの罠が発動してしまいます。

・「ありのままの自分が最高の自分になることを望んでいる」と自覚する
・「自分自身の価値観に従って生きていきたい」と自覚する

頑張り、我慢、努力した結果や空想にフォーカス
 →サボっていい、ご褒美欲しい
→モラルライセンシングしやすくなる
頑張り、我慢、努力した理由にフォーカス
 (なぜ〇〇を頑張ったか、なぜ〇〇を我慢したか、なぜ〇〇を努力したか)
 →モラルライセンシングしにくくなる

「なぜそれをやるのか?」を文章に整理しておいて、定期的に読み返す
「ありのままの自分が最高の自分になることを望んでいる」ことを、
「自分自身の価値観に従って生きていきたい」ってことを思い出せば、誘惑に抵抗できるようになるはずです。

「あとで挽回できる」と思ってしまうと、自分に甘い選択をしやすくなる
先のことを楽観視しやすい
今回は誘惑に負けても、次は取り返せると思う
「挽回できる」→「少しぐらい大丈夫」自己正当化のウソ
過去にモラルライセンシングをしても本当に挽回できたのか?を記録して自己正当化のウソを打ち破る

終えたあとに「よくやった。偉い」→達成感でモラルライセンシングしやすく
終えたあとに「なぜ頑張ったか、なぜ誘惑に勝ったか」→長期的目標に思考が切り替わる

トレンドアフィリエイトでいうなら「なぜ頑張ったのか?」の答えは当然「稼ぎたいから」です。
意識を「やったこと(過去)」ではなく「やりたいこと(未来)」に向けましょう。
そうすれば「目標を妨げる行動」を防ぐことができるはずです。
例「どれだけ頑張ったか」⇒「よし。じゃあ自分にご褒美だ!」
例「なぜ頑張ったのか」⇒「目標を達成するため。昨日も頑張ったのだから、今日休むわけにはいかない!」

対策 

(自覚)
・モラルライセシング行動を毎日書き出してどんな時に起きるか自覚
・モラルライセシングが発生している最中に自覚
(予定)
・日中予定をびっしり入れて余計な行動をできなくする
・具体的な禁止事項をルール化して書き出す
・休憩時間を予定に組み込み、それ以外は許さない
・(✕)「長時間集中、長時間休憩」→休憩長くなりがち
・(◯)「短時間集中、短時間休憩」→望ましい
・禁止行動の期間を決める(1年間、〇〇しない)→一回だけという行動を防ぐ
・やる行動の期間を決める(1年間毎日ジョギングする)→昨日やったから今日はいいやというサボりを防ぐ
()
・なぜ頑張るかの理由を頻繁に考える
・頑張ったご褒美に自分を甘やかしたくなったら「なぜ頑張ったのか」考える
・物事を終えたあとに「なぜ頑張っているのか」「なぜ誘惑に負けなかったか」考える
・(✕)物事を終えたあとに「よく頑張った」と褒める
・(◯)物事を終えたあとに「」
・モラルライセシングの悪影響を頻繁に考える
 (人間は損失に敏感なので最悪の人生を考える)
(少し食べてもいいか→食べるすぐ太る)
(少し遊んでもいいか→人生に失敗する)





モラルライセンシングが発動してしまうボトルネックには、
本当の自分は悪いことをしたい、と認識している自分がいることにあります。
何か自分で頑張ったことに対して、ご褒美をあげるということは、つまるところ、
いいこと 努力すること    罰則
悪いこと、甘やかし     ご褒美

(✕)やりたくないことを頑張って我慢した
 →我慢してやったからご褒美欲しい
(◯)自分は心の底からやりたいからやった、好きだからやった
 →ご褒美不要
(◯)自分は正しいからやったのでなく

「自分は正しいことをしたいと心底から望む人間なのだ」と感じる必要


道徳的な善悪よりも自分の目標や価値観をしっかりみつめること。

明日も同じ行動をする、と考えて、目標をかなえるための行動が日によってバラつきが出ないように注意する。

行動分析的に「やる」行動は
1やることで嫌子が消滅する
 (好き嫌いでなく、やらないと気持ち悪いから毎日ジョギングする)
 (怒られないために毎日仕事、勉強する)
 (頭痛薬で頭痛が軽くなるからのむ)
2やることで好子が発生する
 (A 行動自体が好きで好子発生)
 (B 行動好きでないが我慢してやって自分を褒める) 

モラルライセンスの観点からBはまずい。
モラルライセンスは
1自分を統制して嫌なことでも正しいから我慢してやると、
ご褒美として望ましくない衝動に身を任せる傾向」が出る
2自分を「正しいこと」を我慢してやると、
 

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