元Googleがハイテク企業がどうやって「ユーザーの心を乗っ取るのか」をタネ明かし
ギガジンより
How Technology Hijacks People’s Minds — from a Magician and Google’s Design Ethicist — Medium
https://medium.com/@tristanharris/how-technology-h...


・ユーザーは「便利なサービスは自分たちのために設計されている」と考えがちだがそうではない
・IT企業はどんなユーザーでも持っている「心の脆弱性」につけ込むことがよくある

01:選択肢をコントロールする
自由な選択肢がある様に見せかけて実質的に選択権を奪うのはマジシャンやIT企業がよくやる手法。
例えば、夜が遅くなっても友人との会話を続けたいときに、Yelpでお店を探すシーンを考えてみます。「どこかおしゃべりを続けられる場所はない?」という希望を出すと周辺のバーをずらりと表示してくれ良い店を選ぶことができるかもしれません。しかし、一見、多くの店という選択肢を与えられたように見えるこの場面は、ハリス氏によると選択肢を制限されているとのこと。
この事実は、Yelpで「近くに良いバーはない?」という質問をすれば分かるはず。Yelpがおススメしてくれる店は先ほどの「どこかおしゃべりを続けられる場所はない?」という質問の場合と同じ。つまり、「どこかおしゃべりを続けられる場所はない?」という要求は、「近くに良いバーはない?」という要求に都合良く置き換えられたに過ぎないというわけです。
また、さまざまなサービスの「通知」にスマートフォンの画面が占領されることはよくあるものですが、通知される量が増えれば増えるほど、自分が本当に必要なものが分かりにくくなるので注意とのこと。

◆02:スロットマシーン
・人は1日に150回携帯をチェック
・まれに「良いこと」が起こるからで「良いこと」が起こっていないかと期待し携帯電話をチェック
 確率の低い「当たり」を求めてスロットマシーンにのめり込む心理に似ており、
・「誰もがポケットにスロットマシーンを入れている」
・IT企業はユーザーにさまざまな通知を断続的に出します。
 しかも、通知によってユーザーが得られる報酬は決して一定にはせずに、可変的なものに。

◆03:重要なことを見逃す恐怖
・IT企業は「1%しかないチャンスを失う可能性」を持ち出してユーザーを縛る
・「メールサービスを停止すれば、将来提供されるお得な情報を見逃すかも」や
 「疎遠なSNS上の『友達』をリストから外して重要な情報を聞き逃すかも」などという心理

◆04:社会的承認
・誰でも「社会的に受け入れられたい」という承認欲求がある
・現代社会での社会的承認はハイテク企業の手中にある
・統計データによると社会的承認を強く望むのは10代。
 サービスを考えるときに、ハイテク企業は10代の承認欲求を満たせるかを強く意識している

◆05:ソーシャルなつながり
(?)
・SNSの世界では、友達申請を受けた後に、今度は友達申請をしてみましょう、という手続きがよくあります。
例えば、LinkedInで承認を受けると、「さあ、今度はあなたの番です。承認申請をしてみましょう」というお誘いを受けます。しかし、1人から承認を受けただけで、4人も申請しなければいけないという事態は、よく考えれば不思議なことだとハリス氏は指摘しています。招待される機会の方が、実際に招待できる機会よりも多いという事実は、SNS上の人が自分の意志で招待しているのではなく、SNS提供者がビジネス上の都合でユーザーに代わって招待をしているということを意味しているというわけです。

◆06:エンドレスな自動再生
・ユーザーをサービスに縛り付ける方法は「たとえ、満腹になったとしても食べ続けさせること」
・お皿のサイズを大きくするほどユーザーは、満たされるためにより多くの消費を行うという理屈をIT企業は利用
・YouTubeではユーザーがアクションを起こさないと、次々とムービーが再生されムービー再生にのめり込ませる。
・ITサービスでは満腹感を得られないように、お皿の大きさを無限大にできる

◆07:瞬間的な中断
・IT企業は「瞬間的に中断させることでより多くの反応を引き出せる」ことを知っている
 ユーザーの反応を得るためじっくり読んでもらえるメールではなくメッセンジャーアプリを重宝
・企業にとってユーザーが中断することは好ましいがユーザーの都合を考えない態度

◆08:サービス側の都合をユーザー都合に結びつける
・アメリカの食品スーパーで人気の商品の第1位と第2位は薬と牛乳
 食品スーパーは客に長くスーパーに滞在してもらうために薬と牛乳を店の一番奥に置く
・ITサービスでは同じような戦略で、そのサービスに訪れる機会を増やしている。
 Facebookで今夜のイベントを知りたいユーザーは、
 Facebookアプリでニュースフィードにアクセスすることなくイベント情報にはたどり着けない
 Facebookはユーザーが希望する行為を、すべてFacebookを利用する行為に置き換えている

◆09:不便な選択
・「いつでも退会できます」「別のサービスを利用できます」「いつでもアンインストールできます」と
 選択の自由をアピール、しかし選択の自由を行使するのに面倒な手順を用意して選択させないようにする
 (NYTは有料キャンセルするのにアカウントマネージメント担当者と電話する必要あり)

◆10:時間予測の不可能性
・クリックでどれくらいの時間が必要かユーザーは予測できない
・この不可能な事実をITサービスは悪用している
・ネットアンケートの想定時間は過小
・予測される時間拘束されるのに同意することで、ユーザーは「より大きなお願い」を聞き入れる

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